武士道セブンティーン (誉田哲也)
- 2008/08/05(火) 22:44:23

(本の内容)
福岡の剣道強豪校に転入したお気楽不動心の早苗は、練習方法や考え方の違いに戸惑い悩む。一方、武蔵オタクの香織は後輩指導に精を出し、旧友をいじめから救う。
2人は夏のインターハイで再会を果たすが、香織はかつて自分を負かした相手と親しくする早苗に、裏切られたと感じてしまう。
互いを思いつつすれ違う2人。剣道とスポーツ、武道と暴力の狭間で2人は、目指す剣道に辿り着けるのか。
表紙の絵の通り、前作の最後で離れ離れになってしまった何もかも対照的だった戦友("せんゆう"と書いて"とも"と読む…ときもあるw)の早苗と香織。
早苗は引っ越しても剣道を続けるという意思を伝えなかった後ろめたさから、香織に連絡しようと思いません。
日本一の剣道強豪校の立派な設備、そして弱肉強食システムの剣道部に戸惑います。早苗は同級生であり、同じ剣道部のレナという友達ができます。しかしレナの剣道に対する考え方に違和感を覚えます。
一方、香織もまた苦闘の日々を過ごしていました。
早苗が抜けた穴は大きく、東松学園高校女子剣道部は団体で全国大会に出場することができませんでした。そんな中、香織は新しく出来た後輩たちを鍛え上げようとし、田原という後輩に目をつけます。しかし、田原は香織にとってどうも苦手なようで(苦笑)。
早苗はわざと名前を間違えられたり部の練習に馴染めず心細い思いを抱き、香織もまた早苗からの連絡がないことに対しイライラし軟弱な旧友のイザコザに巻き込まれたり困難な道が待ち構えていました。
今回は早苗より香織の活躍ぶりが目立ちました。弱いものいじめをする男子たちをこてんぱにしたり、容姿にある意外な一面を見せたり、反発していた父親の事故で取り乱したり、また子どもの頃の武勇伝は香織らしく笑ってしまいました。
そして香織負けず劣らない武勇伝の持ち主、福岡南の吉野先生もナイスキャラクターでした(笑)。
香織だけではなく、戸惑いながらも福岡南の仲間達に徐々に馴染み、いつの間に博多弁を使いこなし始めた早苗の姿も微笑ましく良かったです。
前作は香織と早苗という対照的な二人の剣道をする女の子が友情を結ぶまで描かれていましたが、今回のメインテーマは「剣道のスポーツ化」に関してでしょう。
日本古来の武道である柔道は一歩先に国際化の流れを受け入れましたが、剣道はまだ国際化が進んでおらず武士道の教えを忠実に守っております。しかし今後、世界で競技者が増えることにより国際化の流れが剣道にも押し寄せてくると思います。その流れは仕方がないと思いますが、せめて日本国内の剣道だけは武士道の教えを忠実に守ったものでいて欲しいと思います。
直前に「ボックス!」という素晴らしいスポーツ小説を読んでしまったためか、どうしても温度差を感じてしまいました。
しかし、短い章をつないでテンポよく読みやすいところは前作と変わりません。
前作のファンならきっと読んで損はさせません。
武士道にかける乙女たちの戦いはまだまだ続く。
「武士道エイティーン」に乞うご期待!
……でいいのかな?(笑)
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- From: ぼちぼち |
- 2008/09/05(金) 21:24:58
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この記事に対するコメント
こんばんは。
一日遅れアップで、参上つかまつりました(忍者言葉?笑)。
ふたりそれぞれの二年生ライフ、明暗くっきりでしたね。
道を見失った早苗がどうなるのか、心を揺さぶられました。
でも博多弁の啖呵はかっこよかったです。
続編、ワクワクしてます。
>藍色さん
こんばんはー
なぜに忍者言葉なのかはともかく(笑)、対照的な歩み方でしたね。
前半は八方塞だった早苗のパートを読むのが辛かったのですが、
ためらっていた電話をかけるところでうるっときました。
続編も出るはずですよね…きっと!
リベさん、はじめまして。
香織と早苗の電話のシーン、読んでて涙がほろりときました。
距離を保ちながらもこころの奥底で繋がってる感じがいいですね。
魅力溢れる登場人物にまた続編で会えることを期待しましょう!
>じゅんさん
はじめましてー
あの電話のシーンでは、二人の絆の深さをあらためて実感しました。
続編ではきっとレナや田原を含めさらに絆が深まっていることでしょう。
更新ペースが極端なブログですが、今後ともよろしくお願いします。
こんばんは。
前巻から時間が経って、場所が離れてもなんだか素敵な関係になった二人をちょっとうらやましく思ったりしました。
それにしても香織の成長振りにはビックリしました。
ちゃんと先輩してて笑えた。
早苗にはいろいろ苦しい一年でしたが、来年はさらに大きくなった二人が見れそうで楽しみなのです。ここまできたら当然、続きますよね??
>ちきちきさん
こんばんはー
危うかったけど2人の変わらない友情がとても良かったですね。
香織先輩の指導振りも、早苗の成長も、レナの考え方の変化もいろいろ気になることばかり。
彼女たちの高校生活集大成となるだろう次の本も期待しましょう!