のぼうの城 (和田竜)
- 2008/07/08(火) 23:13:15

(本の内容)
時は乱世。天下統一を目指す秀吉の軍勢が唯一、落とせない城があった。
武州・忍城。城主・成田長親は領民から「のぼう様」と呼ばれ泰然としている男だった…。
智も仁も勇もないが人間臭い魅力で衆人を惹きつける英傑像を描く。
とても痛快で清々しくなる作品でした。
有名な武将(信長や秀吉、信玄など)が主人公ではないので、この人はこうなるのだろうと予測しないで読めたのが良かったのでしょう。
主人公の成田長親はおそろしく不器用なため、武術が出来ず馬にも乗れない、
野良仕事をやりたがるけどうまくできないため百姓たちから「(でく)のぼう様」と言われる始末。
そして「のぼう様」と言われても平気なのです。配下の家臣からも「馬鹿」扱い。
これでも忍城の主の一族。戦国時代のご時世からは考えられない武士像が描かれています。
さてこの忍城の家臣達(丹波、和泉、鞆負ら)もかなり変わっています。
敵わないのが分かっていながら喧嘩を吹っかける鞆負、まるでガキ大将のまま大きくなった
ような和泉、そして冷静に物事を見極めているのですが内面に熱い心を持ち続けている丹波。
この家臣達の登場場面で後の戦での役割はいらなかったような気がします。
ここは興が削がれてしまった気がしました。
物語は豊臣秀吉が天下統一を目指して北条氏の居城・小田原城を攻めるところから
動き始めます。
秀吉は石田三成に対し兵を与え北関東を攻めさせることにしました。
事務方としての功はありましたが戦での目立った武功がないのに関わらず秀吉から
重用されている自らの立場に対する周囲の反応を気にしていた三成は、ここで活躍しようと目論んでいました。
忍城主である成田氏長らが盟主である北条氏が篭城する小田原城に向かった後、
ついに三成らが忍城に迫ってきました!
地理、そして己の才能を最大限に生かし奮闘する忍城側に対し、圧倒的な兵数で攻めながら戦にロマンを持ち込んだために内部で不協和音が生じつつある
三成側。
そして事件が起ります。なんとあの「のぼう様」が…
この物語は武士たちだけの物語ではありません。百姓たち、そして女たちの戦いも
描かれています。
彼らのなかでも勝気な甲斐姫が輝いていたと思います。反発しながらも「のぼう様」に
惹かれるその姿はまさにアレです(笑)。
このように登場人物がそれぞれキャラが立っていて、各々にドラマがあり感情移入を
しやすかったです。
戦いの後にちょっぴりセンチメンタルになるような彼らのその後もなかなかいい余韻を残し、
それもまたとても良かったです。
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「のぼうの城」和田竜
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- From: 【徒然なるままに・・・】 |
- 2008/12/28(日) 10:21:22
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この記事に対するコメント
頭の中にはモデルかなと思う人物たちがありました。
のぼう=劉備、丹波=関羽、和泉=張飛、鞆負=孔明。
孔明は少し苦しいですが、どうでしょうか?(笑)
>しんちゃん
なるほど三国志は頭になかったです。
孔明はちょっぴり苦しいけど(苦笑)。
彼は孔明というより馬謖かなって思ったり(マニアックすぎ)。
こんばんは。
最後までドキドキしながら一気に読んでしまいました。
甲斐姫が凛々しくてよかったです。
惹かれるその姿はまさにアレです、って…王道の展開?
または「嫌よ嫌よも好きのうち」!?(笑)。
映画化?
どこかで映画化が決まったというような話を
聞いた気がするのですが、どんな映画になるんでしょうね。
これだけキャラクターが生き生きとしていると
映像化するのも難しいものがあるのかも。
>藍色さん
こんばんはー
ついつい甲斐姫のことを書いてしまいました。
いつもの言葉を使おうと思いましたが匂わせる程度にしました(笑)。
この手のキャラクターがお話に出てくると無性に好きになってしまうのは病気でしょうか?(笑)
>BEEさん
映画化するのであれば、この作品はとにもかくにもキャラ命(笑)なので配役を間違えてしまうと大変なことになってしまいます。
個人的には「のぼう様」を堺雅人さんにやって欲しいのですが、さて?
確かにメジャーどころの武将じゃなかったのが良かったです。
私はこの戦も知らなかったし、どうなるんだろ?って思いながら読んでました。
隅々までキャラクターが生き生きとしてて、すごいと思いました。
>ちきちきさん
日本史はその昔かなり勉強していたのですが、自分もこの戦いのことは知りませんでした。
ひょっとしたら、埋もれていてあまり世間では知られていないけど面白いエピソードがあるのかもしれませんね。
史実を紐解きながら、これほど生き生きとして楽しいキャラクターたちを作り上げた和田さんって凄いですね!