聖域 (大倉崇裕)

  • 2008/06/12(木) 14:32:51




(本の内容)

安西おまえはなぜ死んだ? マッキンリーを極めたほどの男が、なぜ難易度の低い塩尻岳で
滑落したのか。
事故か、自殺か、それとも――3年前のある事故以来、山に背を向けて生きていた草庭は、
好敵手であり親友だった安西の死の謎を解き明かすため、再び山と向き合うことを決意する。
すべてが山へと繋がる、悲劇の鎖を断ち切るために――。

「山岳ミステリを書くのは、私の目標でもあり願いでもあった」と語る気鋭が放つ、
全編山の匂いに満ちた渾身の力作。著者の新境地にして新たな代表作登場!!

山岳ミステリーといえば過去にも名作が多く、その多くがその作家の代表作になることが多い
です。

世界的クライマーである安西のその事故に疑問を感じた草庭は、安西が残した手がかりを
もとに彼が関わっていた団体に迫っていきます。
草庭が謎を追う姿勢は愚直で悲愴な決意で溢れていました。
ただ彼はたった一人で挑んでいるわけではありません。
大学時代の恩師である柳原や、部の大先輩で就職後も何かと草庭の面倒を見ていた
小野寺や、安西の事故に対し不審に思っていた山岳救助隊の松山ら。
彼らのあたたかくも心強いバックアップを得て、草庭は真相に一歩一歩近づいていきます。

ただ真相が反則的に思えたし、少しあっけなく感じました。
しかしこの小説の一番の見所はミステリーではなく、山に挑む彼らの描写でしょう。
大学時代、山を何度も登っていた作者だからこそできるリアルティーなのでしょう。

危険だと思っていてもなぜ彼らは「山に登るのか」。
草庭の先輩社員で身内を山で失った江藤と同じく一般人である自分も疑問に思います。
その問いに対する彼ら登山家たちの答えは様々あると思います。
果たして草庭の答えは…?

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この記事に対するコメント

山の存在感が圧巻でした。
やっぱり特別な場所な感じがしました。
それだけにミステリじゃなくても…ってちょっと思ってしまったり。
山の存在に比べて事件がどうもせこい気が…

>ちきちきさん
山はいつの時代も特別な場所ですよね。
恩人のためにそこまでやるか?
とか
あれだけ接近していたのになぜ分からなかったのか?
とか、ミステリー面では疑問符がつきましたが、山岳小説の力作を充分たのしめました。

男らしさ

草庭のまわりに集まる男達が
草庭の人柄なのか、男らしくて潔い人
ばかりでしたね。
個人的にはちょっと納得のいかないラストでは
ありましたが、(安西のくだりが特に)
希望のある余韻でした。

>BEEさん
本当にこの作品は男らしさが溢れてていましたね。
事件の真相についてはもう少し丁寧に描いて欲しかった気がしますが、
山の小説らしい結び方がとても良かったです。

こんばんは。
草庭をバックアップしていく男たち、
それぞれの人間関係がよかったです。
ミステリとしては、山につきものの根本的なトリックを忘れてたので、
あぁ、そういえば〜でした(凹み)。

>藍色さん
草庭をバックアップし続けた男たちの熱さがとても伝わってきました。
ミステリとしては、拍子抜けしたことしか印象に残っていませんでしたので、それには気づきませんでした(汗)。

秘密のコメント

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  • 投稿者: -
  • 2008/07/29(火) 03:02:54
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