私の男 (桜庭一樹)
- 2008/01/12(土) 21:23:07

(本の内容)
消費されて終わる恋ではなく、人生を搦めとり、心を縛り支配し、
死ぬまで離れないと誓える相手がいる不幸と幸福。
優雅で惨めで色気のある淳悟は腐野花(くさりのはな)の養父。
物語はアルバムを逆から捲るように、二人の過去へと遡る。
震災孤児となった十歳の花を若い淳悟が引き取った。
空洞を抱え愛に飢えた親子には、善悪の境も暗い紋別の水平線の彼方。
そこで少女を大人に変化させる事件が起き…
自分にとって得意か不得意か、どちらかといえば不得意であり嫌悪しそうな類の小説でしたが、あの桜庭さんの渾身の力作ということもあって意を決して読みました。
「赤朽葉」や「読書クラブ」と違い、この物語は章ごとに過去を遡りながらこの父娘が辿ってきた過ちに満ちた道を描いています。
互いの大事な何かを奪い合い空虚になりながら、大きな過ちを犯し心だけではなく体までも依存しあい強い絆を深めていった父娘。
ずぶずぶと腐った沼に迷い込んではまっていく…そのような小説なんだろうと読む前は思っていましたが、ちょっと違いました。
父娘の関係はじとじとと湿ったような腐りきった関係だと思います。しかしどこか突き放したようなドライな文章が、中和しているように思いました。
今までの桜庭作品ではどちらかというと独特の湿り気がある文章が多かった気がします。そしてどこかにライトノベルらしさが残る荒唐無稽な世界が描かれて
いました。これらを廃し、「私の男」という小説を出すことにより桜庭さんが新たなステージに立ったことは間違いないでしょう。
「赤朽葉」が頂点だと思っていたのに「私の男」という金字塔(だと思う)をすぐ立ち上げた桜庭さん。
あの賞をとっても、または取れなくても桜庭さんはこの小説により不動の位置を築き上げたといっても過言ではないと思います。
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この記事に対するコメント
ついに始めましたね♪ 開設おめでとう。
早速ウチのアンテナに入れさせてもらいました。
これから頑張って、どんどんカテゴリを増やして下さ〜い。
桜庭さんは読むたびに驚かせてくれますね。
この作品の壮大さにぶっ飛びました。
個人的には、あの賞あるかもと思ってます。
今後もよろしく〜!
>しんちゃん
誰だか忘れましたが、そそのかされて予定より早くはじめちゃいました(笑)。
まだイマイチやりかたがわかっておらず(TBやリンクとか)、
試行錯誤状態ですが、徐々に充実させていきたいと
思っていますのでよろしくお願いします。
桜庭さんのこの小説は、凄い凄いと前から聞いていましたが
進化ぶりに驚きました。
あの賞は、とれるだろうと思いますがKYな審査員に
不安を感じています(苦笑)。
あー、間違っていたTBを消しましたよ。
待ってました!
こんばんは。
ついに始められましたね。おめでとうございます。
わたしは、今のところ、ブログ一本のみです。結局、ブログのみでみなさんにお会いできるかなと思っています。
何はともあれ、これからもよろしくおねがいします。
さて、この作品は凄かった。
2008年は、この作品でベスト決まりかなと思える内容でした(笑)
途轍もないものを読んだという、放心状態でした。
果たしてあの賞を取るのでしょうか?いや、とって欲しいですねー(願)
お待たせしました
>よしさん
ブログはじめたから読書量が減ったと思われない程度に
頑張っていきたいと思います(笑)。
自分は欲張りなんでSNSも頑張っていきたいと思います。
どうかこれからもよろしくお願いします。
衝撃的すぎてしばらく軽い本を読みたいと思ってしまいました(笑)。
よしさんは、もう2008年のベストを決められたのですね!!(笑)
あの賞は最悪とれなくても、別の賞をきっととると確信しております(なんて後ろ向きなんだ)。
こんばんは。
ブログ開設おめでとうございます。
いっぱい読まれるリベさんなので、すぐに充実したブログになると思います。
楽しみにしていますね。
これからもよろしくお願いします。
すごい迫力でした。
湿気ている関係をドライな文章が中和、に納得です。
これで、昨年ランキングで「赤朽葉」でなく「私の男」にしたのも
たぶんご理解いただけるのでは…って思います。
>藍色さん
こんばんはー
充実したブログにするため、これから努力します。
それには読んだ本の感想をなるべく多く書かなきゃ。
「赤朽葉家」より数段も凄味を感じました。
こういった作品を作れる桜庭さんの懐の深さに驚きました。
自分も今年のランキングでは上位に挙げると思います(笑)。
遅れましたが、私のブログりスト(リンク集)に登録させていただきました。
お手数ですが、相互リンク、よろしくお願いします。
>藍色さん
ありがとうございます!
桜庭さん、直木賞をとりましたね!
この賞にしては珍しく受賞のタイミングがぴったしだったと思います。