走ル (羽田圭介)

  • 2008/04/04(金) 21:34:15




(本の内容)
物置で発掘した緑のビアンキ。
その自転車で学校に行った僕は、そのまま授業をさぼって北へと走るが……

もう陸上小説は古い!?
最近は自転車小説が次々に刊行されています。
ただそれらの小説はどれもレースがメイン。
この小説はただ闇雲にペダルを漕ぐだけ。
北へと。

なぜ高校生の彼が突発的にそういう行動に出たのか?
理解できない方もいらっしゃるかもしれません。
ただ自分は何となくその気持ちに理解できます。
自分が高校生の頃、約1時間かけて自転車通学していました。
川沿いにあるサイクリングコースを吹き抜ける風がとても心地よく、
そのままサイクリングコースを走り続けて授業をサボってどこかへ行ってしまおうか…
なんて思ったり思わなかったり(結局どっち?)。
ただこの主人公と同じようにビアンキを見つけてしまった日には
やってしまったかもしれません(笑)。

とても平易な文章はとても読みやすく、一気に読めてしまいます。
実際に自分も走ってみたいと衝動に駆られてしまいました。
また走行中に彼は携帯電話で、同級生、恋人、元同級生、そして家族と連絡を取り合います。
特に恋人との「距離感」は二人のすれ違いを上手く表していたと思います。

もう少し峠越えの苦しさなど、じっくり描いて欲しかったなとも思ったり、
息子が突発的にこういう行動をしてしまったら、家族(特に親)は果たしてこうも
落ち着いた行動がとれるのだろうか?
楽しめて読めた反面、こういった違和感が残った箇所もありました。

目的地を特に設定せず、どんなオチをつけるのかかなり気になって読んでいましたが
こう来ましたか。
ちょっぴり青春のほろ苦さを味わえる終わり方はなかなか良かったと思います。

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「走ル」羽田圭介

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『走ル』羽田圭介 を読んで

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この記事に対するコメント

全体的にドライすぎかなと思いました。
これが今風の若者なんだ、と分かるんだけど…。
個人的にだけど、もう少し彩りが欲しかったです。
毎回の食事がコンビニって、ねえ。

>しんちゃん
確かに物語的にももう少し「厚さ」が物理的にも内容的にもほしかったですね。
良くも悪くも若さが全面に出た小説だったのかもしれませんね。

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