ビールボーイズ (竹内真)

  • 2008/03/27(木) 22:15:13




(本の内容)

北海道の新山市で暮らす正吉たち12歳の悪ガキトリオは、秘密基地に集った。
憧れの茜が市内のビール工場の撤退を機に、転校していってしまうのを惜しんで。
茜を転校へと追い込んだ、ビールという飲み物に復讐、つまりは飲むためだ。
茜の親友の薫も加わって、6本のビールを飲み干す。
修学旅行の布団部屋で、映画館で、そして居酒屋で、いつも彼らの傍には、ビールがあった。

感想を書く前に、自分はあまり「ビール」という飲み物が好きではありません。
はじめて飲んだときのあの苦さがずっと引きずり、今でも苦手意識が残っているからです。
飲み会では乾杯の時だけビールを飲みますが、あとは他のアルコールを
飲むことが多いのです。

しかしこの小説を読んでちょっと変わったかもしれません。
「ビール」___いや「エール」を味わいながら飲んでみたいと思いました。

この物語の主人公は以下の4人です。
ガキ大将タイプで行動派の正吉、
参謀タイプでいつも冷静な広治郎、
泣き虫だけで意外と意志が強い勇、
そして男勝りだけど何やら心に秘めた深い悩みがある薫。

当時12歳の彼ら4人が秘密基地でビールを飲み干すところから物語が
はじまります(よい子のみんなは真似しちゃダメだぞ)。
彼らは機会があれば集まってビールを楽しく飲み、時にはビールに翻弄されながら
成長していきます。
第1回「ビール祭り」の後、4人全員が集まって「ビール祭」をなかなか開けません。
しかし、なかなか4人が集まらないだからこそ、友情がずっと続いたのかもしれません。

第2章の修学旅行のエピソードが特に心に残りました。
夜中に部屋からこっそり抜け出し秘密の部屋に集まり、そしてビールを飲みあう話です。
男同士だけではなく好みの女の子を誘い、ここだけの話で盛り上がるのです。
そして酔いが進むにつれ、徐々に雰囲気が…!?
あー、懐かしいなぁと思った方、やりたかったなぁと思った方、
様々いることでしょう(ちなみに自分は後者…ガックリ)。

他の話も温かく、そして爽やかでサラっと読めます。
ビールだけではなく、地方の問題、そしてジェンダーに関する話などを
織り交ぜて話が一本調子にならなかったことも好感を持ちました。
最後にあるサプライズもありがちといえばありがちなんですが、
これもまた心がほっと温かくなりました。

彼らの物語だけではなく、「ビール祭」の間に挟まれた作者のビールの歴史や
ビールへの熱き思いがこめられたコラムもなかなか読み応えがありました。
このコラムを読んでますますグビっといきたくなった方は大勢いることでしょう。

先日読んだ「ワンダー・ドッグ」同様にこの小説もまた決して感動したわけではありませんが、
とてもいい話で心にふわっと残り熱くなれる、そんな小説でした。

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この記事に対するコメント

こんばんは。
読み応えのある、爽やかな作品でしたね。
離れたりしてもずっと繋がっている四人の友情が清々しかったです。
やっぱりビールが飲みたくなりました。

ぷぷっ、気取って「エール」なんて言ってるよ。この人(笑)
仲間っていいなー、そう純粋に思えた爽やかな作品でしたね。
よーし、今夜は第三のビールでも飲むかっ!

>藍色さん
こんばんはー
まるでビールを飲んだあとのように(ちょっぴりほろ苦いけど)爽やかな小説でしたね。
たとえ離れていても4人の絆は変わりませんでしたね。
これからの季節にピッタリな小説でした。

>しんちゃん
わ、笑ったなー!! あとで仕返しするもんね!!!(子供だ 笑)
自分は彼らのような仲間はどれだけいるんだろうって考えてしまいました。
しんちゃんならプレミアムなビールを飲まなくっちゃいけないよ。(笑)

こんばんは。
上下二段組が嘘のようにさらっと読めるお話でした。
子供のころから続く仲間ってのがうらやましかったです。
ビール好きなので、やっぱり飲みたくなりました。そして作りたくもなりました。

>ちきちきさん
分厚い本でしたが、一気に読めましたね。
彼らのようにどんなに離れても変わらない仲間って自分もうらやましかったです。
我が家は家族そろってアルコール下戸なので冷蔵庫にアルコール類いっさいなく
実行にうつせませんでしたが、ぐびっといきたかったです(笑)。

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