彩乃ちゃんのお告げ (橋本紡)
- 2008/02/26(火) 00:49:05

(本の内容)
明日はきっと、いいことあるよ。
小学生にして「教主さま」。ふしぎな力をもつ少女、彩乃ちゃんがひきおこす3つの奇蹟の物語。
注目の著者が描く優しいファンタジック・ストーリー
「誰かの人生にかかわって、ちょっとだけ方向を変える。
それでみんな、少し幸せになる」
素朴で真面目で礼儀正しくて。
一見ふつうの5年生だけど彩乃ちゃんには、見えている。
周りの人のちょっとした未来。
うまくいかない相手と仲良くする方法。
幸運をよぶ少女と迷える人たちのひと夏のできごと。
ほんの小さなきっかけで世界はたしかに、変わってく。
物語に出てくる子供たちがとても瑞々しく繊細に描かれています。
こういう子供たちが出てくる小説はとても好きです。
ですから3話の中で最も子供たちが多く登場した「石階段」が好きでした。
ところで彩乃ちゃんは「教主さま」らしいのですが、全然そういう素振りを見せません。
「教主さま」らしく偉ぶるのではなく、礼儀正しく、
不思議な能力(お告げ)を持つ神秘性は持っていますが。
そういう意味で宗教的な匂いが全くしません。
どの話も温かく、優しい結末でとても好感が持てました。
ただ彩乃ちゃんの本音があまり垣間見えません。
これは「教主さま」としての責任(立場)がそうさせているのではないかと考えられます。
彼女は、関わった人々を幸せにさせていきます。
一方で彼女自身は幸せなのでしょうか?
そこが気がかりであり、また最後までふわふわした物語なので少し物足りない気がしました。
また彩乃ちゃんが滞在する家庭をどうやって選ぶのか、それも描かれていません。
多分これも彼女の不思議な能力で選ぶのでしょう。
普段の「教主さま」としての生活も気になります。
こういった残されたエピソードがいつか続編として読めることを期待しています。
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